もし自分や身近な人ががんになったら、「できるだけ安静に過ごしたい」と考える人が多いのでは。 13種のがんにおいて発症率が下がる それに対し、「がんになったからといって、安静にしているメリットは1つもありません。できるだけ今までどおりの生活を続け、運動も積極的に行ったほうがいい」と話すのは、産業医科大学第1外科講師の佐藤典宏先生。 「医学研究の進展により、がん治療への考え方は変わりつつあります。近年、筋トレの重要性が広く認められるようになってきており、海外では、がん患者に筋トレをすすめる動きが広がっています」(佐藤先生、以下同) こうした変化が生まれたのは、がん治療における筋トレのエビデンス(科学的根拠)が蓄積されてきたことによる。 2014年、アメリカで実施した調査では、週1回以上の筋トレを行っているがん患者は、筋トレを行っていない患者に比べて死亡リスクが33%も減少していることがわかった