宇宙艦隊の旗艦エンタープライズD艦長、ジャン=リュック・ピカードは、 ラウンジ『10フォーワード』で、部下である高性能アンドロイド・データ少佐とポーカーを興じていた。 このゲームはそろそろ終わりを迎えようとしている。 「お互い紳士らしく振る舞おうじゃないか」 ピカードはアールグレイティーをデータにすすめながら問いかける 「ミルクは?」 「結構です」 「砂糖は?」 「それも結構です」 「…なぜ引き延ばすのですか?」 「ゲームを終わらせたくないんだ」 このゲームをもっとゆっくり楽しみたいと考えているピカード。 しかし、ゲームには必ず終わりはやってくるものだ。 「では、オールイン」 と、ピカードが声をかけると、 データはカードを開き、全てがクイーンの5枚のカードを見せる。 その瞬間船体の揺れを感じたピカードが窓の外を眺めると、エンタープライズは火星周辺に接近していた。 「おかしいな?火星に向かっ