アルゼンチンやトルコなど新興国の金融市場で最近起きている混乱について、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏とトルコ出身の経済学者ダニ・ロドリック氏が、論説で意見を戦わせている。 両氏は過去何十年もの間、新興国市場の動向を見守ってきた世界的な経済学者だ。さらに言えば、2人とも左派リベラル系の世界観の持ち主であり、イデオロギー的もしくは哲学的な意見の相違はないはずだ。だが、今回の新興国市場の混乱については真っ向から対立しているように見える。 クルーグマン氏は、「トルコが問題なのではない。南アフリカやロシア、ハンガリー、インドのほか、現在危機に見舞われているその他の新興国も問題ではない。本当の問題は、米国やユーロ圏諸国など先進国の側にあり、こうした国々が自国の根本的な弱点に対処できていないことだ」と主張する。