こんにちは、外科医の後藤です。 地球上ではすべての人間に24時間周期で朝と夜がやってくるため、人間のホルモンや自律神経、睡眠リズムといった体内時計は約24時間周期で成立しています。 しかし宇宙空間、たとえば国際宇宙ステーション(ISS; International space station)は秒速8kmで地球を周回しているため90分周期で朝と夜がやってくる世界であり、さらに閉鎖環境である影響も加わってこの体内時計が乱れ、睡眠障害が発生する場合があります。 宇宙滞在中の睡眠問題は、ISSで高度な集中を要する宇宙飛行士のヒューマンエラーや重大事故のリスク要因であり、今後月や火星への宇宙探査ミッションでもさらなる影響を及ぼす可能性があるために、様々な研究や対策が検討されています。 今日はその要点を説明します。 ヒトの自然な睡眠システム 睡眠のメカニズムとしてよく知られているのが、レム(REM: