保育園に入りたくても入れない「待機児童」の問題がクローズアップされる中で、保育園という「ハコ」が足りないことだけでなく、保育士を確保できないことや、その理由にも注目が集まっている。現場の保育士からは「保育士の待遇も見直してほしい」「薄給すぎて結婚も出産もできない」などの声があがってきた。 なぜ、いま保育の現場では、保育士が不足しているのか。1978年に、当時は珍しかった男性保育士となった、白梅学園大学子ども学部(東京・小平市)の近藤幹生教授(62歳、保育学)に、保育士という仕事のやりがいと、今の現場にある課題を聞いた。(取材・構成 / 瀬戸佐和子) ●「保父さんと呼ばれていた」 ―—近藤教授は1978年から26年間にわたり、保育士、園長として現場で働いてきましたが、保育士という仕事の魅力は何だと思いますか。 一番の魅力は、やはり、小さい時期の子どもの成長や発達を長い目で見られること