すべての読書家におすすめする作品。 読書家、とりわけ小説読みは多かれ少なかれ孤独なものだ。多く読めば読むほどその傾向は深まっていく。なぜなら楽しいことがたくさんあるこの世界で文字を一人で読んで多くの時間を費やす人間はそう多くはないし、いたとしてもジャンルがかぶることは多くないからだ。日本に同好の士が数千人しかいないなんてことはざらで、偶然を期待して出会うにはあまりに確率が低すぎる。 文字を読む行為が基本的に他人の介在を必要としないこともあいまって、小説読みというのは孤独なのだ。とくに小学生中学生高校生の頃なんかは世界が狭いし。仮に読んでいる人がいたとしてもジャンルが重なることなんて滅多にない。それはその後も同じだけど、自由に出かけていけるからね。僕がネットに文章を書くのは自分が小学生から高校生だったころの孤独がインターネットで少しでも癒せればと思うからだ。せめてネットぐらいには孤独な読み手