風景から場所を推測するのが好きだ。趣味と言ってもいい。 CMや映画を見ていて背景に街が映ると、内容よりも場所が気になってしまう。次第に明らかになるヒントをもとに場所がだいたい特定できてくる感じが好きだ。 そういうのを絵画の世界でやっている人がいると聞いた。同好の士だ。話を聞いてみた。 山内崇嗣さんという美術家の人 絵画の風景のロケ地さがしをしている人こと、山内崇嗣(やまうちたかし)さんだ。油絵の個展を開いたりいろいろ受賞したりしている美術家でもある。 この日は、東京の代々木あたりで書かれたという絵の場所を見に行くため、代々木駅で集合した。山内さんが案内してくれるという。 その絵とは、これだ。 岸田劉生「道路と土手と塀(切通之写生)」1915年 (出展:東京ステーションギャラリー「没後90年記念 岸田劉生展」図録 p.79) 大正時代の代々木を描いた絵だそうだ。いまの東京にはありそうもない、