polog: seepassyouagain: 去年の夏の話。 何気なく「ポニョ観に行こうかな」と言ったら、知り合いの女の子が、連れて行ってほしいと言った。 そうして、「彼氏に知られたくないので、他の人には絶対に内緒にしてほしい」と言う。なんでと訊くと、「アニメとか軽蔑してる人だから」。 軽蔑って、でも宮崎駿だよ?ポーニョポーニョポニョさかなの子だよ?と思ったんだけど、そういう問題ではないらしかった。 箱入り娘で、独りで映画館に行ったことのない彼女は、だから自分だけでこっそりポニョを観るという選択肢も持っていなかった。 彼女はとても可愛らしい人だった。そして、おそらくは長い時間をかけて「保護されるべき存在としての自分」を作り上げていた。 待ち合わせ場所から一貫して私の斜め後ろを歩き、チケット売り場では戸惑って少し間を置いて私の顔を見てから(たぶん自分で買ったことがなかったのだ)、たどたどし
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