暴力団排除条例が全都道府県で施行され、来年の初詣への暴力団の参拝をめぐり、神社側が対応に苦慮している。指定暴力団山口組総本部を管轄する兵庫県警が「結束強化につながる」として地元神社などに集団参拝を拒否するよう要請したことが発端だが、宗教行為と暴力団排除の“両立”という課題を背負わされた形の神社関係者は「作法に従っている参拝者を拒めない」と困惑している。 「命令ではなく、あくまで要請ですから、どう対応したものか…」 今月20日、兵庫県警から県神社庁(神戸市中央区、約3800社)とともに暴力団の集団参拝を断るよう文書で要請された神戸護国神社(同市灘区)の関係者の歯切れは悪い。同神社は指定暴力団山口組総本部の北、わずか約200メートルにあり、最高幹部らが毎年元日に集団参拝するのが恒例となっているからだ。 神社関係者の胸中は複雑だ。兵庫県内のある神社関係者は「作法に従って粛々と参拝しているものを拒