はじめに 国民生活を豊かにしていくためには、公正で自由な競争を通じて企業の創意工夫やイノベーションを促進し、経済を活性化させることが不可欠である。また、経済のボーダーレス化が進展しグローバルな市場が形成されるに伴い、企業は厳しい競争に晒されているが、企業間の公正で自由な競争を促進するため、市場経済の憲法とも言われる独占禁止法の重要性はますます高まっている。米国、EUをはじめとする諸外国においても、競争法の運用が強化されるとともに、制度間の国際的ハーモナイゼーションが求められている。 新しい競争環境の変化に対応した流れは、もはや後戻りすることはなく、企業自身も競争政策の重要性を充分認識し、法令遵守に努めるとともに、グローバル競争を勝ち抜くために、創意工夫を凝らしながら事業活動を国内外で積極的に展開している。また、外国企業による日本市場への参入も活発化しており、我が国の独占禁止法の運用について