前回はObserverパターンの紹介を行った。今回は、この実例をCocoaの名から探してみよう。 取り上げるのは、NSNotificationクラスである。通知と呼ばれるメカニズムを提供するものだ。 NSNotificationの構造 NSNotificationおよびそれに関連するいくつかのクラスは、イベント等の通知を行うクラスだ。Cocoaのフレームワーク内で広く使われている。 いくつかのクラスが絡んでくるので、それらを紹介しよう。前回、Observerパターンでは、ObserverとSubjectという、2つの役割が登場することを説明した。これをNSNotificationに当てはめると、SubjectはNSNotificationCenterというクラスになる。このクラスの中で、Observerクラスの参照を保持しておくのが、NSNotificationQueueというクラスだ。