内陸に移住したい住民と海辺に可能な限り人を集めて町を再建したい行政−−。東日本大震災の大津波の直撃を受け、約800人が亡くなった宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区。住民の5人に1人が犠牲となったこの地区でいま、人口2000人規模の町を再建する事業が動き始めている。しかし、内陸移転を切望する住民と市長・行政の間で大きな隔たりが生まれている。 閖上地区の復興について、市が住宅再建の意向を住民に確かめた調査結果の公表が、予定より大幅に遅れることが新たに分かった。市はこれまで3月に中間報告、4月に結果を公表すると説明してきたが、中間報告も含めて発表されていない。結果は、5月19日の市議会復興調査特別委員会で報告されるという。