【ワシントン=黒瀬悦成】米農務省の南部ジョージア州の事務所で農村開発局長だった黒人女性が、白人に対する人種差別発言を行ったとされ、その様子を撮影したビデオが保守系活動家のウェブサイトに掲載された。 この局長は19日、同省高官から強要される形で退職した。ところが、20日になってビデオが作為的に編集されていた事実が判明。白人保守派と黒人・リベラル派が、11月の中間選挙をにらみ、人種問題を互いの攻撃材料として利用する状況が浮き彫りとなった。 問題のビデオは、黒人局長のシャーリー・シェロッドさんが今年3月、黒人の人権擁護団体「全米黒人地位向上協会」(NAACP)で講演し、「白人の男性から農地が差し押さえられそうだと相談されたが、親身になって対応しなかった」と発言しているもので、保守系のFOXニュースでも大々的に紹介された。 しかし、父親を白人に殺された経験を持つシェロッドさんは、以前、白人を嫌って