── アフガニスタン現地で実際にいろいろな援助活動を行なってきた中村さんに、一連のアメリカの空爆などについてお話をうかがいたいんですが、まず中村さん自身、アメリカの空爆をどのように捉えていらっしゃいますか。 中村 わたし自身はですねえ、下々のことしかよくわからないので (笑) 。一般の庶民の立場から言いますとね、ビン・ラディンが匿われてるとかっていうのはある程度、噂として流れてたので知ってはいましたけども、一般の人々にとっては上の人の動きでしかなくて、あまり身近なものではなかったんですよ。だから、今回の空爆にしても本当に庶民にとっては縁遠い問題だったということはできますね。この2、3年干ばつが続いて、もうそれどころじゃなかったというのが実状です。あともうひとつ、強いて政治的なことを言うとすれば、タリバンという政権が出てきてから、アフガニスタンに割と平和が戻ってきたというのは事実なんで語弊は
![アフガニスタンに生きている生身の人間がいるというのをどこかに忘れているんですよね - 中村哲が14年に渡り雑誌『SIGHT』に語った6万字](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/25c9c63ff48eea2e9411ef66b6e30abef36d606d/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.rockinon.co.jp%2Fsight%2Fnakamura-tetsu%2Fogp.png)