社員の休業手当には雇用調整助成金(雇調金)が活用されている。「週1回」という首の皮1枚のシフトは、シフトをゼロにして「解雇」とみなされれば雇調金が認められなくなる恐れがあるからだ、との見方も社内には流れていた。 また、会社は上場を目指しており、そのための融資の条件として銀行から人件費削減要求が出ているとも言われていた。パートの休業手当を増やせば、経理上このコストが膨らむ。それを警戒している、というのだった。 週1のシフト労働の山田に、休業している正社員の分の仕事が集中した。昼休みが取れなくなり、残業の日も増えた。転職も、子育て女性は敬遠されがちで壁が厚い。 野村総研は2021年2月、山田のような「シフトが5割以上減少かつ休業手当を受け取っていない人」を「実質的失業者」と定義して推計したところ、全国の実質的失業者は女性で103.1万人(男性43.4万人)に上った。 総務省の「労働力調査」によ
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