息子の様子がおかしいことにも気がついた。いつも友達と遊んで帰ってくるはずなのに帰りが早く、最近は友達の話もしない。 「○○君たちと遊ばないの?」 息子に尋ねると、 「僕と遊んじゃダメって言われてるんだって」 「どうして?」 息子はわからないというように首を横に振った。元子は、事件のことを打ち明けたママ友の自宅を訪ねると、やはり、彼女が事件のことを周囲に漏らしていたのだった。 「性犯罪者の家族とは付き合いたくない」 「なんだか、黙っているのが心苦しくなって……。ご主人、犯罪を犯したのに普通の生活をしてるって納得がいかない」 夫が起こした事件であって、家族は関係ないのにーー。元子はそう言い返したかったが、自責の念からとても言葉にできなかった。 「元子にはわからないと思うけど、私たち女の子を持つ母親として、性犯罪者の家族とは付き合いたくない」 元子はもうこの地域で生きていくことはできないと覚悟し