■はじめに すでにマスコミ等で大きく報道されていますが、平成31年3月26日の名古屋地裁岡崎支部判決は、父親が19歳の実の娘に対して行った準強制性交行為について、「娘の同意は存在せず、極めて受け入れがたい性的虐待に当た」るが、(準強制性交等罪の要件である)「抗拒不能だったとはいえない」として、無罪としました。 被告人の行為は「鬼畜の仕業」というに等しい行為ですが、無罪とした裁判所の論理に社会は驚きをもって反応しました。性犯罪に関する判決で、これほど世間の注目を浴び、社会の強い拒絶反応を引き起こした判決もそんなに多くはないと思います。3月には、他にも何件かの性犯罪事件の無罪判決が相次いでおり、これらを受けて、5月13日には性被害当事者を中心とした団体が、法務省と最高裁に刑法やその運用の見直しなどを求める要望書を提出しました。 「2020年に刑法見直しの実現を」 続く無罪判決を受け、法務大臣に