滋賀県大津市で2011年、中学2年の男子生徒が自殺し、その際の学校と教育委員会の対応が不適切だったことをきっかけに、13年に「いじめ防止対策推進法」が成立した。その後も、いじめによる自殺や学校のずさんな対応は絶えないため、現在、超党派の国会議員の勉強会(座長=馳浩・元文部科学相)が改正を目指しているが、いじめを放置、助長した教職員を懲戒処分とする規定などをめぐり、取りまとめは難航している。 「いじめ自殺は後を絶たず、学校ではいじめの放置や隠蔽(いんぺい)が繰り返されている。法律に具体的対応策を定め、実効性を高める必要がある」 21年前、神奈川県立高校の1年生だった一人娘が同級生からいじめを受け、自殺した小森新一郎さん、美登里さん夫妻は、取材に対してそう話した。 小森さん夫妻は娘を失った後、いじめ防止に取り組むNPO法人「ジェントルハートプロジェクト」を設立し、活動してきた。 昨年12月には