私は、母の顔に浮かんだ恐怖の表情を決して忘れないだろう。 母は聡明な女性だった。3つの学士号と1つの修士号を取得しており、大学で1960年代前半にはびこっていた性差別に直面していなければ、博士になっていたかもしれない。 その代わりに、母は大手航空会社に就職した。そこで数学の才能を生かして、飛行機が安全に離陸できる積み荷の重さとバランスを計算した。 しかし、10年近く深夜のシフトで働いた後、物忘れをすることが多くなり始めた。最初は、必要な書類を持たずにどこかに行くといった些細なことだった。その後、事態は深刻になった。そして、母は自動車事故に遭った。 数週間の検査を終えて診察室から出てきたとき、母はショックを受けていた。57歳で若年性アルツハイマー病と診断されたのだ。 母は、思考を要するものであれば何でもやるように言われた。そして、クロスワードパズルをやり、本を読んだ。昔から数学が得意だったの
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