何の話かというと enakai00.hatenablog.com の続編です。まずは、前回のポイントをまとめると次の通りです。 ・電子のスピンの状態は、2次元の複素ベクトルで表される。(ただしベクトルの大きさは 1 に限る。) ・z 軸方向のスピンを観測すると のどちらかが得られる。どちらが得られるかは確率的に決定される。 ・ が確率 1 で観測される特別な状態 は、パウリ行列 の固有ベクトルとして決まっている。 ・その他の一般の状態の場合、 が観測される確率は、固有ベクトルとの内積の大きさの2乗で計算される。 ・観測結果が の場合、観測後の状態は に変化する。同じく、 の場合、観測後の状態は に変化する。 今回は、これと同じ考え方を x 軸方向と y 軸方向のスピンについて適用します。z 軸方向の場合、固有ベクトルの形が非常にシンプルになりましたが、x, y 方向の場合は、固有ベクトルの