「氏より育ち」という言葉があるが、「育ち」は二つに分けて考えるべきである。すなわち「親の影響」(躾)とそれ以外とに。 結論を言えば、人の行動パターンに影響を与えるのは「遺伝子」と「仲間」であって、「親の影響」(躾)はそれほど影響を与えない。このことは変化する環境下にさらされる(枯渇しやすい資源に依存するため自ら移動することも同様である)生き物にとっては有利かもしれない。一世代前の経験を模倣するよりも、同世代を模倣した方が、変化に適応する確率が高いと考えられるからだ。 いろんな意味で有名な言語学者スティーブ・ピンカーは、今日では「グループ・ソーシャリゼーション・セオリー」と呼ばれる理論と出会ったときのことを、こう述懐する。 「三年前、サイコロジカル・レヴユーに掲載されたある論文が子ども時代と子どもに関する私の考え方を一変させた。私も多くの心理学者同様、人がもって生まれた遺伝子と親の育て方との
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