12個の原子が8セット並んでいる。他のでっぱりは関係のないキセノンの原子。Image: IBM 米IBM社は1月12日(米国時間)、12個の原子の表面に1ビット分のデータを記録する技術を開発したと発表した。世界最小の磁気記憶装置を作ることが可能になる技術だ。 物理学者はこれまで、磁気記憶素子をどこまで小さくすると量子力学の法則が優勢になり、データを確実に記録することができなくなるかについてはっきりわかっていなかった。例えば、並べる原子の数を8個にした場合、安定的な磁性状態を保つことがまったくできなくなると、今回の発見に関わったIBM社の研究者アンドレアス・ハインリッヒは説明する。 「そのようなシステムでは、あるひとつの状態から別の状態への変化が、データ記憶装置とは言えないほど短い間に、そしてまったく自然発生的に、次々と発生する。変化の回数は1秒あたり1000回に達するかもしれない」