モサドとはイスラエルの対外諜報活動と特務工作と担当する組織だ。佐藤優氏は「客観的に見て、世界で最も強力な対外インテリジェンス機関はCIAだ。しかし、個々のインテリジェンス・オフィサーの能力においては、イギリスのMI6、イスラエルのモサドのほうがはるかに高い」と評価している。つまり、モサドは現代スパイの総本山のようなものなのだ。 スパイ組織なのだから当然その実体や活動は秘密なのだが、秘密があればそれを知りたいのが人間というものである。これまでにも『憂国のスパイ―イスラエル諜報機関モサド』や『モサド−暗躍と抗争の六十年史』など多数のモサド史を描いた本が出版されている。本書は2010年にイスラエル国内で出版されて以来、70週間もベストセラー入りしているだけでなく、20ヶ国語に翻訳され世界中で読まれている最新のモサド・スパイ列伝だ。この分野の白眉であろう。 著者の1人はイスラエルの元国会議員にして
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