米国のCRM(顧客関係管理)ソフト市場が、にわかに活気を帯びている。米オラクルがCRMソフト・ベンダーの米シーベル・システムズを買収したと発表したことがきっかけである(米国時間の9月12日)。これに伴い、米国におけるいくつかのCRM関連のコミュニティでは、発言数がうなぎ登りに増加している。 コミュニティの発言をみると、「オラクル傘下になると(シーベルの創業者である)トーマス・M・シーベル会長がシーベルを去るのでは」といった内容が目立つ。CRMソフトの黎明期を切り開いたシーベル会長は、米国では「CRMソフトの伝道師」というイメージが定着している。そしてシーベル会長の存在がユーザー企業を引きつけてきた。コミュニティの人々が今回の買収について好意的でない背景には、このような事情がある。 筆者は以前、買収劇を繰り返すCRMベンダーに果たして顧客志向はあるのかと書いた(記事)。CRMはその言葉の通り
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