医療や介護の世界では、栄養補給の手段として流動食がよく用いられる。普通の食事が摂れない人も何も食べなければ飢えて衰弱してしまうから、そういう人にとって、流動食は命綱になる。食べる機能が回復不可能な場合は、いつまでも流動食を使い続けなければならないかもしれない。 メンタルヘルスの世界でも、あたかも似たようなことが起りがちだ。“承認欲求の流動食”“自己愛の流動食”で心の飢えをしのいでいる人をあちこちで見かける。それどころか、すっかり依存してしまって、並みの心理的充足が難しくなってしまっている人もいるようだ。 人間は、心理的に充たされる体験無しでは心が飢える 人間のメンタルは、心理的に充たされたと感じられない状態が続くと衰弱してしまいやすい。ストレスを回避するのも大切だが、そこそこの頻度で心理的に充たされたと体験できなくてもキツくなる。もし、心理的に充たされたと感じない状態が長引くと、ストレスや