藤田雄介(Camp Design inc.)による築44年の団地の住戸のリノベーションを紹介します。作者が柱間装置と呼ぶ建具が壁に嵌っている住戸形式そのものは継承しつつ、布製の建具(布框戸)というエレメントの導入によって空間の更新が試みられています。 形式のリノベーション 柱と梁の間に、建具や壁が嵌められた形式を柱間装置と呼ぶ。 日本建築の特質である外部環境との連続性や空間の可変性は、柱間装置によって生み出されてきたとも言える。注目したいのは、近代以降、木造ではなくRC造の団地等のインテリアにおいても柱間装置が採用されてきたことだ。形骸化されながらもインテリアに用いられてきたのは、柱間装置がうみだす場所性が日本人にとって拠り所となってきたからだろう。 この建物は、築44年の分譲化された団地である。約50㎡の住戸で、一般的な団地同様に柱間装置によって仕切られていた。プランニングの問題からか、
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