前記事からのつづきです。 わたしは思いつく限りの選択肢から、候補を2つに絞りました。 「いやだわ、あなたは普通の女性と幸せになるべき方でしょ」と昭和の演歌のような態度で固辞するか、もしくは「すいません少し考える時間をください……」と言ってひとまずこの場をしのぎ、店に事情を話してよい対処法の教えを仰ぐか、です。 後者の方がより波風が立たず、自らを「普通ではない女」と名乗る必要もなく、スタッフの知恵も借りられてよいように思いました。しかし、残念ながらその店には頼れるスタッフの心当たりがありませんでした。見た目だけで戦意を奪えるような腕っぷしの強い人も、理詰めや交渉術で戦える頭脳派タイプの人も、業界トラブルに精通した手練手管の黒服タイプの人もいなかった。そしてそのどれでもないけれどキャスト女性の安全だけは何にかえても守るぞ、みたいな人も、いそうになかった。 力になってもらえる見込みがないことは、