はじめに 2011年10月15日から17日まで東北大学で開催された第62回美学会全国大会の最終日、当番校企画として「たそがれフォーラム」(於仙台国際センター)が開催された。 今回、開催校企画として二つのプログラムを予定した。一つは若手研究者の育成のために美学会が積極的におこなってきた「若手研究フォーラム」、もう一つは、現在の美学の喫緊の課題のなかからテーマを設定し、その方面に詳しい研究者による「たそがれフォーラム」である。 「たそがれフォーラム」というと、一線を退いた研究者による追懐と解される向きがあるかもしれないが、「フォーラム」に参加された方はもとより、掲載論文を一読していただければすぐおわかりいただけるように、本企画はそうした印象とは正反対である。「たそがれ」には、長年の研究を踏まえながらそれがそれぞれの研究者にとっていかなる意味を持っているのか、その現代的な意義を追求してやまぬ