アルフレッド・ダーリントンは知識をひけらかす気取り屋タイプではないが、90年代の〈ワープ〉と〈ニンジャ・チューン〉から大きな影響を受けたロサンジェルスを拠点とするこのアメリカ人は、IDM/エレクトロニカにおいて貴族趣味めいた方向性を最初から打ち出していた。先日、ダーリントンの新作が下北沢のジェットセットの新譜コーナーの壁に飾ってあるのを見たとき、そのキャプションに記された気合いの入った言葉からは、彼のファンが確実にいることを読み取ることができたが、果たしてデイダラスのファンがどんな人たちなのかまだよくわからない。彼はこの10年、音楽的に見て、あまりにも一貫性を欠いた活動をしているからだ。 デイダラス......ギリシア神話の登場人物のひとりとして、日本語ではダイダロスの発音で通っている名前を作家名に使っているダーリントンは、DJシャドウがレア・ファンクやレア・ソウルではなく、クレタ島の文明
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