若桑みどり『戦争とジェンダー―戦争を起こす男性同盟と平和を創るジェンダー理論』(大月書店)170頁 当然、生命と自然の大量破壊である戦争は、生態を破壊し、生命の根源を否定する。それは自然と生命から離れることのなかった「女性」の嫌悪するところである。この議論が本質主義であると非難されることを知りつつ、それでも私は、それが抑圧であったにもかかわらず、数千年以上にわたって女性が生命を産み、死者を看取った経験は、未来に向けての重大な経験であったと考えている。(太字強調は引用者) 若桑みどりは本質主義であると認識しながら、本質主義論を展開している。『戦争とジェンダー』の副題は、「戦争を起こす男性同盟と平和を創るジェンダー理論」だ。帯には、「男たちが戦争を起こしてきたのだから、今度は女性たちが平和をつくらなければならない」と書いている。これは「おわりに」にある記述で、それを帯に載せている。若桑みどりは