この銀河のどこかに、森羅万象一切の運命を寸分の相違もなく100億年、時を刻み続ける長針があるとする。 賢者は言った。万物は一刹那の狂いもなく物質界に生を享け、一厘の狂いもなく虚空へと息を引き取ると。 だから、お前さんの宿命も変わらないし、変えることなどできるはずもない。宿命の時空を無限に遊泳するがいい。 私は、この男は賢者ではないと思った。そうすると、その男は消えた。しかし、変わらずに針は動き続けている。 そうするとサジタリウスが来た。この弓を使えと。そして言った。ただし、意思なき者には引けぬ長弓なるぞ。 運命、その甘美なる響き。逆らったところで、何も変わることなどはない。・・・その時に私は思った。先ほどの賢者はつまり、私自身の諦めが人の姿を借りて映じた幻影。であるなら、この長針も私自身のイメージが産み出した私を拘束するものの象徴。そうは分かっていても弓に手をかけることができない。 そのま