(第1回『部下に「与える」つもりで「求めた」失敗』から読む) 「自分でやった方が早いよ」。リーダーとは本来「他人を通じてことをなす」のが仕事であるにもかかわらず、新任課長の僕はプレーヤーに逆戻りし、課長失格の烙印を押された。 そして再び課長に登用され、リベンジとばかりに部下育成に熱心になった。しかし、その熱心さが仇となった。部下にダメ出し100連発を何度も続け、部下のスキル(知識・技術)ではなく態度(姿勢・意欲)に直接手を突っ込んだ。部下が嫌がる「心の深い部分」を否定し、無理やり変えようとした。そして部下から怖がられ避けられてしまった。なんということはない。僕は再び課長失格、となってしまったのだ。 僕は悩んでいた。部下の態度を無理やり変えようとすると拒絶される。しかし、そこを変えなくては本当の意味での育成はできない。いったい、僕はどうすればいいのか、と。 上司の指導は部下の主体性を奪う 今