「春エヴァ」は第25話の途中までとなり、『エヴァ』の完結は同年夏まで持ち越しになった。それが「第25話 Air」と「第26話 まごころを、君に」で構成された『THE END OF EVANGELION』である。僕はそれを「夏エヴァ」とも呼んでいる。 公開日はわずか数ヶ月の違いであり、内容は一部重複しているにも関わらず、「春エヴァ」と「夏エヴァ」では気分が違っていた。すでに熱狂のピークは過ぎていたのだ。少なくとも作品の周辺にいる僕達の気分は変化していた。関連印刷物のデザインコンセプトもその気分に合わせている。極太明朝体の文字を紙面いっぱいにギッチリ詰めたあのパターンは使わず、白地を活かすデザインでなるべくシンプルに。真っ白い紙面の片隅に、黒い文字が1行ある様なクールさを理想とする。特に庵野さんやGAINAXと、デザインの方向性について打ち合わせをしたわけではない。GAINAXが作った「夏エヴ