筆者は去る7月13~18日、モスクワを訪問し、ロシア原子力産業の動向を中心に関係者のヒヤリングを行なった。我が国が、ロシアとの間で二国間の原子力協定締結交渉の開始で合意したのは昨年(2007)2月のこと。実は、7月の洞爺湖サミット中にも同協定に調印されるとの見方が有力だった。 筆者も、雑誌『諸君!』8月号掲載の論文「ロシア双頭体制は新資源帝国をめざす」(兵頭慎治・防衛研究所主任研究官との共著)の最後部で次ぎのように述べた。 ロシアは世界最大のウラン濃縮サービスの供給能力を持ち、今のところ他国から使用済み核燃料を引き受ける可能性のある唯一の国である。そうした自国の優位性を熟知するロシアは現在、イランを含む発展途上国向けの原子力協力を行う国際的な枠組み作りを主導している。その第1弾として、東シベリアのアンガルスクでの国際ウラン濃縮センター計画を推進している。ブッシュ政権も同計画を支持している。
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