九州北部豪雨で、福岡県那珂川町役場の駐車場が冠水し、緊急呼び出しで休日出勤していた職員の車126台が水につかり、86台が廃車になったことがわかった。 町内で様々な豪雨被害が出ていることから補償を求める雰囲気はなく、救済する法律もないため町は補償しない考えだ。職員は「業務で呼び出されて被害に遭ったのに……」と複雑な気持ちを抱えながら、同僚の車に相乗りするなどして役場に通っている。(坂田元司) 先月26日の日曜日。町は災害に備え、午前9時50分に全職員196人を招集した。職員は町民の避難指示にあたったり、堤防に土のうを積んだり奔走。同11時前、町を流れる那珂川がはんらん、役場に水が押し寄せた。 江藤一秀・住民生活部長は、「あっという間に水かさが上がった」と振り返る。公用車を優先して避難させている間に職員の車はみるみるうちに沈んでいった。「もう動かんばい」。ため息が漏れた。 町によると、126台