モーリス・センダックが1963年に発表した、とてもとても有名な絵本を原作にしたスパイク・ジョーンズ監督作。絵本に出てくる「かいじゅう」たちの不思議なタッチが忘れられなくて、夜な夜なうなされたり、ペットに八つ当たりしたり、ウルトラ怪獣ソフビを見て複雑な気持ちになったり、まあそんな人間はいないと思うのだが、大人だと数分で読めるこの絵本に想像力を膨らませた子供たちは多かったと聞く。分量ではなく、絵柄やその微妙に狂気的な内容ゆえにとも。 そんな絵本の「かいじゅう」たちは、本作では着ぐるみに表情はCGという造型で登場する。それらはどういったイコン的な役割を持ってデザインされていたのか、そんなことを考えながら鑑賞した。 一時の激情のあまり家を飛び出した少年がどこかに行く、というのはよくある話だ。わたしも幼少時、トイレに糞を詰まらせた挙句、怒り狂う親を尻目に「こんな家に二度と帰ってくるものか!」と家