黒縁眼鏡に、赤いユニホーム姿もだいぶ馴染んできた。今季から広島の指揮を執る新井貴浩監督の隣にはいつも、藤井彰人ヘッドコーチがいる。 戦況を見つめながら、後手にならぬよう一手先、二手先を読みながら指揮官にいくつか選択肢を提示して相談する。監督の意見を聞くだけのイエスマンではなく、対案を出したり、ブレーキ役となったりもする。また、練習中はノックバットを手に動きまわり、試合中に選手が死球を受ければ、真っ先にベンチを飛び出す。喜びを爆発させる新井監督が目立つ隣で、負けず劣らずの感情表現も見せる。 チームが勝てば「選手のおかげ」と言う指揮官が、チームがうまく回っている状況について問われれば「ジェイ(藤井ヘッド)が本当によくやってくれている」と言う。 新井監督率いる広島は、前半戦を47勝38敗。首位阪神に1ゲーム差の2位で折り返した。前評判を覆す健闘ぶりに、参謀の存在は欠かせなかった。 同学年監督から