昨年12月15日、まだ辺りが薄暗い早朝から、東京都大田区の大田グラウンドにはトレーニングウェアやユニフォーム姿の若者たちが三々五々集まってきていた。2021年から社会人野球への参入を目指す、株式会社日本晴れ硬式野球部のトライアウトが行われるのだ。 社会人野球の環境は年々厳しさを増している。「会社が給料を払って社員身分のアスリートにスポーツをさせる」という日本独特の社会人スポーツは昭和の時代までは「福利厚生」の一環であり「社員のロイヤルティ、団結心」を高めるうえで意義があるとされた。 しかし、年功序列、終身雇用が崩れるとともに「社員がこぞって自社のチーム、選手を応援する」という文化は衰えた。また外資系の経営者の多くは「企業スポーツ」に理解を示さなかった。 「冬の時代」を迎えた社会人野球 2009年には名門、日産自動車硬式野球部が休部となるなど、社会人野球は「冬の時代」を迎えた。廃部、休部に追