高成長を誇ってきた米Dellが大きな曲がり角を迎えている。直販モデルの強さを世界に証明し、PC業界の雄を自負してきた同社だが、ここ数年の間に表面化した陰りで、大きな戦略転換を迫られている。Dellは新年早々にCEO更迭、創業者の再登板という“荒療治”を行い、急ピッチで改革に取り組んでいる。 昨年はDellにとって散々な年だった。顧客サービスへの不満が噴出し、第3四半期には約3年ぶりにPC市場のシェア首位から転落、米Hewlett-Packardに逆転された。Dellはこうした事態に対応するため、サポートの強化や新興市場への進出、AMDプロセッサのPCへの採用などを内容とする「Dell 2.0」構想を9月に発表。Kevin Rollins CEOの下で改革に着手した。Rollins氏は創業者Michael Dell氏の10年来のパートナーで、2004年にDell氏からCEO職を引き継いだあと