母乳でも、人工乳(ミルク)との混合栄養で育てても、赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になるリスクは変わらない――。そんな結果が千葉大学などの追跡調査で分かった。母乳がアトピーの発症につながるかどうか、国内ではっきりした結論が出ていなかったが、母乳は発症リスクを高めないことを裏付ける結果になった。 調査は千葉、東京、岐阜、福岡の4都県の五つの医療施設で、2007〜09年に生まれた赤ちゃん計1088人を対象にした。母親のおなかの中にいる時から家族の生活習慣やアレルギー性の病歴などを調べた。出生後は1カ月、4カ月、半年の時点で授乳の状況や、アトピー性皮膚炎の有無を追跡した。 一般に乳児の1割はアトピーになるとされる。今回の調査でも各施設の発症率は9〜19%だった。いずれの施設でも、母乳だけと、人工乳との混合栄養の赤ちゃんを比べても発症率に統計的な差はなかった。 これまでの国内の研究は発症後にアンケ