審議中のIEEE 754の拡張である754rの主要な追加の一つは、10進の浮動小数点演算である。科学技術計算の場合は、現在、IEEE 754で定義されている2進の浮動小数点演算で問題が無いが、事務計算では10進演算の必要性が高い。 例えば、2進の浮動小数点形式では、0.1は指数が2の-4で、仮数は1.10011001100 …と1100の繰り返しが無限に続く値となり、有効ビット数の範囲で非常に近い数は表現できるが、きっかり0.1を正確に表現することはできない。このため、利息を計算して、1円単位に切り上げるなどという計算を2進の浮動小数点演算で行うと、誤りが生じる場合がある。このため、財務計算などでは、ソフトウェアで10進の浮動小数点演算を行っている。また、通常、金額のデータなどは10進数の形式で保存されており、これを演算のために2進数に変換し、計算後、10進数に変換して格納するのは、無駄が