[amazon] 個人的には「哲学をわかりやすく解説する人」として、きたろうとともに出演した深夜番組「哲学の傲慢」が思い出される評論家の書いた、全共闘運動とその世代に関する本。 冒頭の自分語りに「ゲゲッ、このパターンか」となってしまい、しばらく放り出していたのだが、本題に入ると運動をできるだけ俯瞰しようとした、よい本であることがわかった。 本書には、現在四十代以下の「学生運動のイメージ」をくつがえす点がいくつか明記されている。 それを箇条書きにすると、以下のようになる。 ・「三派全学連」と「全共闘」は違うものである。 ・「最終的な政権奪取」を目的としない者も大勢いた。 ・問題が起こっている現場で動くのが、全共闘の信条である。 1番目に関しては、後の過激派との違いにも同じことが言える。 連合赤軍の集団リンチ事件があまりに衝撃だったため、学生運動が比較的穏当なものから、過激なものへと一直線にエ