(光電効果) 光のエネルギーは、とびとびの値をとると考える「量子仮説」は、光の波動説をも大きく揺るがした。波のエネルギー(強さ)は波の振幅に比例する。したがって「光のエネルギーがとびとび」ということは、光の波の振幅も、とびとびの値になることを意味する。これは「波の振幅は連続的な値をとることができる」とする従来の波の理解の仕方に完全に反するものだった(物理学の世界では、波の種類や大きさなどを「波長」「振幅」「振動数」などの要素で表現する。「波長」は波の1周期の距離である。「振幅」は波の高さを表し波の強さを決定する。「振動数」は1秒間に波が何回うねるかを表す)。 そこに若きアインシュタインが登場する。彼は「光は波ではなく、プランク定数hと振動数νをかけたエネルギーを持つ粒として考えればいい」と主張した。彼は光の粒を「光量子(こうりょうし)」と呼び、光を粒と考える「光量子仮説」を唱えた。