海上自衛隊の護衛艦「たちかぜ」の元乗組員(当時21歳)が2004年に自殺したのは先輩隊員のいじめが原因だとして、遺族が国家賠償を求めた訴訟の控訴審で、海自によるいじめの調査資料の隠蔽を内部告発した3等海佐(46)が11日、遺族側の証人として東京高裁に出廷した。 3佐は「自衛隊は国民にウソをついてはいけないとの信念からだった」と告発した理由を説明した。 元乗組員の自殺後、海自はいじめの実態を調査したが、遺族による05年の調査資料の情報公開請求に「廃棄した」とウソを回答。3佐は国側の代理人として訴訟を担当し、11年の1審・横浜地裁判決後、遺族側に資料の隠蔽を明かした。3佐は尋問で「代理人になった時、上官や同僚に(隠蔽について)相談できなかった自分が恥ずかしい」などと語った。