「いろんなものが消えていく。だけど、忘れちゃいけないものもある。面白かったテレビ。貧しかったけど希望のあった暮らし。大家族の絆。資本主義に蝕まれる前の、働くという喜び――だから、俺は、この時代に向けて、「弔辞」を読もうと思った。たとえ、消える運命にあるものでも、それについて、俺自身が生きているうちに別れのメッセージを伝えておこうと考えた。」 芸人・ビートたけしが芸論から人生論・世界観までを綴った最新刊『弔辞』から、自分自身に捧げた「生前弔辞」の一部をお届けします。 皆さんは、大変な時代を生きることになる どうにかお笑いの世界でメシも食えるようになって、人気も出て、売れるようになって、今度は自分と同じ世界を目指す若手の姿を見るにつけ、一種の虚無感のようなものを感じるようになりました。 お笑いは所詮お笑い、エンターテインメントは所詮エンターテインメントです。その時代や自分の身に何も起こらなけれ
![ビートたけしが自分自身の生と死について語った「生前弔辞」(ビートたけし)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/703b77e8eaff40bfc568f5552dda2fa687bca5a1/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F9%2Fe%2F1200m%2Fimg_9e1512c8bfff4148f9db05626514a58460014.jpg)