そろそろ3年目か 3年 3年間 1日たりと気が休まる日は無かった。 社長と呼ばれて嬉しい事なんて一つも無かった。 家族のためにと、気力を振り絞ってやってきた。 天国から地獄へ、地獄から天国へ、まるでジェットコースターに 乗ってるような毎日だったが、「大丈夫、俺はやれる」と自分に 言い聞かせて今までやってきた。 でもさー、俺という人間の限界が見えた気がしてきたんだよ。 人には器ってものがあるんだよ。 それとな、やっぱり教養は大切。 頭が良い人にはどんなに警戒してたってコロっと騙されてしまう。 人を騙す人は、漫画みたいないかにも詐欺師ですって顔つきや風貌じゃない。 もう、本当に良い人なんだよ、印象が。 親身に相談に乗ってくれるし、時には、汚れ役までやってくれたりする。 あぁ、この人は本当に俺のことが好きで、信頼してるんだなと錯覚する。 でも、気がついた時には何百万ってお金がその人に流れてるんだ