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小説と技術に関するsippo_desのブックマーク (2)

  • 認知言語学から小説の面白さに迫る『小説の描写と技巧』

    小説の面白さはどこから来るのか? 物語のオリジナリティやキャラクターの深み、謎と驚き、テーマの共感性や描写の豊かさ、文体やスタイルなど、様々だ。 小説の面白さについて、数多くの物語論が著されてきたが、『小説の描写と技巧』(山梨正明、2023)はユニークなアプローチで斬り込んでいる。というのも、これは認知言語学の視点から、小説描写の主観性と客観性に焦点を当てて解説しているからだ。 特に興味深い点は、小説の表現描写が、人間の認知のメカニズムを反映しているという仮説だ。私たちが現実を知覚するように、小説内でも事物が描写されている。 認知言語学から小説の描写を分析する 通常ならメタファー、メトニミーといった修辞的技巧で片づけられてしまう「言葉の綾(あや)」が、ヒトの、「世界の認知の仕方」に沿っているという発想が面白い。これ、やり方を逆にして、認知科学の知見からメタファーをリバースエンジニアリングす

    認知言語学から小説の面白さに迫る『小説の描写と技巧』
  • Aが見た/Aは見ていた

    一人称に比べて、三人称の小説は格段に難しいと言われる。視点が管理できないためだ。 筆者は小説執筆歴二年にして二冊の商業出版長篇を上梓するという幸運に恵まれたが、近刊である『オービタル・クラウド』では初めての三人称による記述を試みている。半年間という短い執筆期間で、初めての三人称による小説とその手法を自分のものにできたのは、早川書房の担当編集者I氏の指導のおかげでもある。 ここで忘れないうちに、三人称視点あり小説執筆手法を、再現可能な技術として記しておきたい。第一回目は、主語の助詞からはじめたい。例文は林と北野という人物によるスキット(寸劇)だ。 林はマグカップを持ち上げた。 「もう一杯、もらってもいいかな」 北野はコーヒーサーバーへ手を伸ばしながら苦笑した。 「飲み過ぎじゃないか?」 寝不足はカフェインの摂りすぎのせいだろう、と言いながら湯気の立つ黒色の液体をたっぷりと注ぎ込む。 これが「

    Aが見た/Aは見ていた
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