きれいなだけでは役に立たない ──今のビジュアライゼーションの動きのなかで、増井さんが問題だと感じていることはありますか? 増井:加工中心になってしまっていることですね。本来、ビジュアライゼーションというのは、何かを理解したり、検索したりするために使うはずなのに、「きれいだったらいい」という感じになってしまっています。インフォグラフィックスというのも、ポスターを頑張ってきれいに描くのとあまり違いはない。 そこに注力しても、ではこれは本当に便利なのだろうかというと、怪しいものが多い。そういう印象があります。本当に便利だったら見栄えが悪くても使われると思うんです。Googleのテキスト検索が典型的です。でも、いまのビジュアルの方向というのは、ともかくかっこよければいい、影をつけましたとか、光っていますとか、それでかっこよく見えるということの方が、便利さよりも重要になっています。 ──つまり、意