東京電力福島第一原発事故発生後7年目以降の精神的損害賠償について、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が帰還困難区域の住民に一人当たり700万円を追加して支払う指針を決めた26日、居住制限、避難指示解除準備両区域の住民からは「同じ避難者なのに格差が出る」と不満の声が上がった。賠償金の有無によって、地域の分断が起こりかねない、との指摘もある。避難区域の家屋・宅地の賠償額上乗せには、「避難先で家を新築するには足りない」と嘆きが漏れた。 「賠償に差が出ると、住民の気持ちの溝が深まりかねない」。富岡町の居住制限区域から福島市の借り上げ住宅で生活する無職堀川潔さん(73)は憤る。 町には帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の三区域があり、帰還困難区域の住民は約3割だ。町は同額を支払う一括賠償を求めてきた。賠償金に格差が生まれることで、町民に亀裂が生じると懸念するためだ。 審査会は帰還困難区域の住民の