「男子の方が女子よりも数学が得意」――このよくあるステレオタイプが女子に不安を与え、問題解決に必要な心的資源をむしばみ、数学の成績を悪くしているとの研究結果を米シカゴ大学が発表した。 この研究では、不安が女子の作業記憶を低下させることが示された。作業記憶とは、問題に即時対応するのに必要な限定的な情報を制御し、活発に維持する短期記憶。 またこの研究では初めて、数学への不安によるダメージの後、心的な能力がすぐには回復しないために、ほかの学術分野にもこのステレオタイプの脅威が及ぶことが示された。この研究結果はJournal of Experimental Psychology: Generalに掲載された。 研究は数学の成績がよい女子大学生を被験者に行われ、被験者は2つのグループに分けられて数学のテストを受けた。テストの前に、片方のグループは「男子が女子よりも数学が得意な理由を調べるためのテスト